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フィジカル・ラブ(ブーツィー・コリンズ、プリンス、Level42などについて)

「わたしは楽天広場・インフォシーク・ジオシティーズ世代なのだから、楽曲やアルバムを聴いた感想をなんとなくツイッターに・刹那的に投稿するSNSジャンキー仕草は辞めて、ちゃんと読み返せる形で音楽について文章を書いて投稿しなければ」という謎の使命感を覚えたので、語る相手は特にいないけどTCP/IPの向こう側にいる誰かに語りかけたい音楽の話について定期的に記していこうと思います。

1. Bootsy Collins – Physical Love (“Stretchin’ Out in Bootsy’s Rubber Band” 1976)

パーラメントやファンカデリックの作品は以前からよく聴いていましたがブーツィー・コリンズ名義の作品は実のところ未聴でした。
この時期のブーツィーといえばやはり”I’d Rather Be With You”が人気曲ですが(かの有名なChildish Gambinoの”Redbone”でサンプリングされてますね。もちろん私も大好きな一曲です。)、Gary “Mudbone” CooperとRobert “P-Nut” Johnsonの男性2声によるハモリが大変美しいファンク・バラード・ソングにぜひ注目してください。
スタジオ版をプレイリストに入れておいてアレなんですが、このスロウかつメロウなアレンジでなおかつCatfish Collinsによるヘヴィなギターソロが聴けるライブ版が超良いです。

ライブ版の出来がスタジオ版のそれを上回るマジックはポピュラー音楽においてしばしば起こる訳ですが、そういう物に出会った時はいつも野暮ったい気持ちになります。「そのアレンジでスタジオ録音すれば良かったのになあ」と。とは言いつつも、そのようなある種のもどかしさに音楽リスナーをやっている甲斐や醍醐味があるような気がします。ベストテイクの音源が公式で出てない、とかね。多分これもそうなんだろうか。そうした底知れぬ音楽リスナーの欲が西新宿のレコード屋界隈の経済を回している。
なんでも速くすればカッコ良くなる訳ではなくてあえてテンポを落とすことで生まれるグルーヴがはっきりと存在していることが分かるライブ映像ですね。
さらにさらに野暮ったい話をすると、「パーラメントやファンカデリックのような大所帯のバンドはメンバーへのギャラの配分はどうしているんだろう?」という疑問があります。そのへんは「ファンクはつらいよ ジョージ・クリントン自伝」を読めば分かるんですかね?買います。

2. Prince – It’s Gonna Be Lonely(“Prince” 1979)

プリンスは以前から大好きです。特に宅録ファンクの最高傑作”Dirty Mind”や「Raspberry Beret」と「Pop Life」が収録されている”Around the World in a Day”が私のお気に入りです。
しかし、この80年代ポルノスターのポートレイト様なジャケット(以前どこかのウェブサイトでこのように揶揄されているのを見かけました)がもはや一周回ってカッコいいセカンドアルバム”Prince”(邦題「愛のペガサス」←合唱課題曲みたいなヤベー邦題ですね)はぶっちゃけ真面目に聴いてませんでした。
あ~”I Wanna Be Your Lover”が入ってるアルバム?」程度の認識。
しかし偶々ラストトラック”It’s Gonna Be Lonely”を聴いていたく感動いたしました。これはDIY系ミラクルAORです。
まずイントロ~Aメロで鳴っているソリーナのしゅわしゅわストリングスパッドシンセ音で最高に泣けます。チェロやフルートに対するメロトロンのように、本物のストリングスには出せない侘び寂びがソリーナのサウンドにはあります。
サビでディストーションギターによる低音域のリフが鳴っているんですがこれデヴィッド・フォスターがよくやってるやつじゃないですか。完全にAORですよこれ。
ギターソロや転調のようなはっきり分かりやすい展開がある訳ではないのに5分30秒しっかり聴き浸ってしまう不思議な名曲です。
というか今更この曲に興奮している私はスーパーウルトラ周回遅れでして、というのも既にマック・デマルコが4年前にカバーしてました。すみません、ファーストアルバムの”For You”から出直します…

3. Stevie Wonder – Golden Lady(“Innervisions” 1973)

イントロのピアノがリバーブ処理なしの生々しい音で収録されているのがたまらないです。20秒からのリズム隊+ピアノからスタートしてもいいところをあえてこういうピアノを前奏に持ってくるスティーヴィー、憎いです。
この曲はモントゥーノ風のコード使いも最高にイケてますが、なんと言ってもドラムのミックスが非常にユニークですね。
もともとのメインのドラムセットの録音とは別途に右側でハイハットのシンコペーション(イントロ・Aメロのピアノのシンコペーションと同期)が鳴り続けているんですよ。
このようなハイハットの付け足し方は他にあまり聞かないですね。
1973年~1976年あたりのスティーヴィーのアレンジ・発想は本当に神がかっています。

4. The Meters – Find Yourself(“Trick Bag” 1976)

ミーターズというと全編インストの泥臭い1stやアラン・トゥーサンのハウスバンド時代のイメージが強いんですが、そんなミーターズがEW&Fのような(ショートディレイをかけてるボーカル処理が非常にモーリス・ホワイトっぽい)さわやかAORソングをやっていたとは知らなかったです。イイです。
本作が収録されているアルバム”Trick Bag”のクレジットを見ていたらプロデューサーがまさかのアラン・トゥーサン。
70年代後半のこの手のアルバムって安い印象あるので(私はレコードの相場感覚が2000年代後半のハードオフジャンクアナログ盤コーナーで止まっている男)ワンチャンないかなと思いDiscogsで調べてみたら意外といい値段をしていた。残念。

5. Level 42 – Something About You(“World Machine” 1985)

最近よく聴いているバンドの一つがLevel 42です。ちなみに私の周りで聴いている人に出会ったことがないです(聴いている人は名乗り出てください。語り合いたいので)。
Level 42についてはなんとなく80年代の売れ線バンドなんだな~くらいの認識しか持っていなかったわけですが今更ながらテクニカルで大変面白いバンドであることを発見いたしました。(Fun Boy ThreeやThompson Twinsも同様の誤解をしていました。)
デビュー当初はフュージョン系のインスト志向だったLevel 42が徐々にポップス側に軌道修正し生み出したのが1985年発表の完璧なソフィスティ・ポップ。
ベースを軸としたキャッチーなイントロリフ、声質の違うマーク・キングとマイク・リンダップの2人による対象的なリードボーカル、サビでリプライズされるベースリフ、短くツボを抑えたギターソロが特徴の、何度聴いても決して摩耗しないエターナルな名曲です。

歌いながらめちゃくちゃテクニカルなスラップベースを弾くマーク・キングは元々ドラマーだったのにバンドと勤務先の楽器店の事情から21歳でベースに転向したらしい。そして、アメリカのファンクベーシストを参考に数週間で自分の奏法を会得したそう。センスの塊だなあ。

今回は以上です。

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